北九州市議会議長 田仲常郎(たなかつねお)

済生会八幡総合病院の移転に当たり、私個人に対する誹謗中傷や、移転までの経過について

このたび、済生会八幡総合病院の則松地区への移転に当たり、私個人に対する誹謗中傷や、移転までの経過について事実に基づかないビラが配布されるなど、看過できない状況が見られるため、八幡東区・八幡西区における医療体制の現況や移転に当たっての私の考えを皆様にご報告するものです。

済生会八幡総合病院が所在する八幡東区の人口は、昭和49年に旧八幡区が八幡東区と八幡西区に分区された時点では132,509人(北九州市人口統計資料)、その後、人口は減り続け、平成28年10月には68,004人(北九州市推計人口、以下同じ)となり、42年の間に64,505人(約48.7%)減少しています。一方、八幡西区は昭和49年の時点では216,271人で、その後、平成15年に260,781人まで増え続けましたが、この時をピークとして緩やかな減少に転じ、平成28年10月は254,962人となっております。
近年の人口動態を見ると、平成25年10月から平成28年10月までの3年間で、八幡東区は70,166人から68,004人となり2,162人(3.1%)の減少、八幡西区は256,702人から254,962人となり1,740人(0.7%)の減少と、八幡東区は八幡西区に比べて急速に人口が減少しています。
また、行政区域面積は八幡東区36.26㎢、八幡西区83.40㎢と八幡西区は八幡東区の2.3倍の広さをカバーしており、平成28年10月における1㎢当たりの人口数においても、八幡東区1,875人、八幡西区3,067人で、八幡西区が八幡東区の1.6倍の人口密度となっています。

両区の病床数を見ると、八幡東区は、一般病床(療養・精神・感染症・結核病床以外の病床)を持つ5病院の一般病床数は1,416床で、100床当たりの人口は4,803人となっている一方、八幡西区は人口254,962人に対し、一般病床を持つ17病院の一般病床数は2,121床で、100床当たりの人口数は12,021人と八幡東区の2.5倍も多くなっています。
特に急性期中核病院の病床数から見ると、八幡東区は、済生会八幡総合病院(403床)、製鐵記念八幡病院(453床)、市立八幡病院(439床)と3病院あり、この他4㎞以内の区域にJCHO九州病院(575床)もあって、病床過剰地域になっています。他方、八幡西区は、八幡東区に近接するJCHO九州病院と若松区に近接する産業医科大学病院(638床)の2病院のみであり、急性期中核病院100床当りの人口数は、八幡東区の5,251人に対して、八幡西区は21,019人と八幡東区の4倍多くなっています。

延べ入院患者数(H28.1)~H28.12))

すなわち、八幡東区と八幡西区の病床当たりの人口がアンバランスで八幡西区は相対的に急性期病床が少ない状況にあり、特に移転先となる則松地区は、八幡西区の中央部及び南部の上津役・木屋瀬地区に対応できるという利点があります。

北九州市の急性期病院

また、済生会八幡総合病院の延べ入院患者数を見ると、平成25年以降は、八幡西区からの患者が最も多く、昨年1年間では、八幡西区の入院患者数は37,136人(34.0%)に対して、八幡東区の入院患者数は32,195人(29.5%)となっています。

延べ入院患者数(H28.1)~H28.12))

このような背景から、済生会八幡総合病院は、八幡西区の医療機関及び八幡医師会との協議を重ね、公的病院としての役割・機能を果たすとの考えのもと、八幡西区則松地区に移転し、近隣病院と医療機能連携、調和のある棲み分けを行う方針を決定したと伺っており、私は、この移転により、今後の八幡西区の医療機能の充実を図ることができるとともに、地域住民になくてはならない総合病院として発展するものと考え、積極的に協力することを決断したものです。